赤色の話

赤色がすきだ。

ランドセルの赤
色鉛筆の朱赤
コカコーラの赤
私のポーチのハートの赤
色んなものに使われる赤

黄色が入った赤もすき。
夕焼けの赤の広がりもすき。

トマトとさくらんぼの赤もすき。
でもトマトもさくらんぼも嫌い。
あんなにかわいい色をして
あんなにピカピカしてるのに
中はグジュっとしている。
ガリッと硬い種がある。
甘くてみずみずしくて
まちがいなく美味しそうなのに
酸っぱくて何かが口に残るのだ。
しかもトマトなんて
赤の中から緑色。大好きな緑色。
だけど予想外すぎて驚いてしまう。

こんなにかわいくて、ピカピカして
綺麗でオシャレで憧れる。
でもどうにも食べたくならない２つ。

女の子だってそうだ。
かわいくて、ピカピカしてて
オシャレで綺麗でみんなに
いいね！って言われる子。
もちろん私もかわいいと思う。

でも中身はどうかは
わからない。
もしかしたら緑色の
グジュグジュが
いっぱいかもしれない。
頑固な種があるかもしれない。
だからかわいいねって
程よく離れた距離で
見ておくだけで十分だ。
もちろんピカピカした
男の子にも同じこと。

このことを全部知って
このトマト、このさくらんぼ
「綺麗な赤色だね」といって
一人でさっと食べて
見えなくしてくれる
そんな人と食事ができたら
私は嬉しいのかもしれない。

好きなことは好き！と
話すことはよくある。
嫌いなことはどうして嫌いか
知らせ合えたらもっと
好きになれるかもしれない。

好きな人の好きなことは
知りたいし
好きな人の嫌いなことも
知りたい。

そんなことを思ったりした。
おやつのかわいくてピカピカした
赤いさくらんぼを見ながら。